最後に
父が死んだと聞いたのは、入院中の父のもとへ向かう朝の江ノ電の中だった
車中で涙を流すことはなく、実家へ戻った
母が死んだと知ったのは、バイトが終わって、スマホを見たときだった
泣くことはなく、ただ、帰る場所が無くなったと知った
もし、順番通りに事が運ぶなら、
次は姉の死を知らさせる(はずと信じたい)
その日はずっと先と願うけれど、
もし、その日が来たら、その時は、泣かずにいられないだろうと思いたい
誰も私を許す人はいなくなり
誰も許しを乞う相手もいなくなる
そして、積み重ねた不孝を贖うことができなくなる
申し訳なさと不甲斐ない自分が情けなくきっと泣くだろう
姉を泣かせたくないから、頑張って、できるだけ頑張って、最後に死にたい
そして、我が家は潰える