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涙のわけ

バイト先の上司というか、先生のような方に、認定の話をした。先輩の「他人から聞かされるよりいいと思うよ」との言葉を受けて、はっとした。確かにそうだ。本当のことを言えば、話したくてうずうずしていた。バイトを始めてから今まで、何でも尋ね、何でも話して来たから、今更このことだけ隠しておくのは、嘘をつくことになるような気がして(言わぬが花ということもあるけど)気になっていた。

他に人がいなかったので、ちょうどいい機会だと、先輩と一緒にその方のところへ行き、実は個人的な話なんですけど、と切り出すと、先輩が鼻をすするような音を立てたので、振り向くと、先輩は俯いて顔を背けた。

それを見たら急に涙腺が緩んで、話し始めた途端に泣いてしまった。泣くまいと我慢しながら泣きながら、ひととおり説明した。黙って聴いてくださった。そして、いつにもまして、今日一日は、気を配ってくださった。

帰りは先輩と一緒に、軽い食事をした。また色々話し、先輩が涙ぐむので(また先輩のせいにする)、私も泣けてしまった。先輩は姉に早く話せと言う。私はこれ以上の心配(母の事があるため)を掛けたくないから黙っていたいという。あとになればなるほど、姉が悲しみ寂しがるはずだと先輩は力説。尤もだと私も思う。いちいち先輩の言うことは全くもって正論で、当たり前のことだけれど、正しくあればこそ、それに正対する勇気がなかなか出ない。冷静に話せる自信がないからだ。私が泣いてしまえば姉がもらい泣きせずにいるとは考えにくい。私が先輩の涙を見て泣けてしまうのと同じだと思う。

数日前、上司に話した時には何でもなかった。ただ事実を報告しただけのことだった。互いに何も特別な思い入れもないし、何も特別な斟酌を要する間柄ではないからだ。

でも、件の先生のような方と、先輩と、ましてや姉になれば、ただの報告では済まない。私はその人たちに特別な信頼を持っているし、その人たちが私を思ってくれる気持ちを(勝手に)感じているし、自分がそういう相手に対して、こんな報告をする、しなければならない、その所為で、相手がどんな気持ちになるかと思うと、申し訳ない気持ちで一杯になり、自分自身が情けなくてたまらなくなるからだ。

涙が出るのは、自分のつらさなどのせいではない。私が、相手に、それ(つらさ)に類する気持ちを起こさせてしまうようなことをすることになるからだ。誰も傷つけず、誰も悲しませず、いなくなってしまうつもりだったけれど、矢張り嘘をつくことができず、嘘をつきとおす強さを持てず、先輩に甘え、頼り、話してしまったことが悔やまれつつ、反面ありがたく思う。こんな私でも、気遣ってくれる、優しくしてくれる「他人」がまだいたんだ、と感謝の念に堪えない。そして、今日の私に至るまで、私を育ててくれた両親、姉、今まで知り合って親しくしてくれた全ての人たちに感謝します。本当にありがとう。

検査の全てが終わったら、今後の見通しがつくだろうし、そうしたら、意を決して、姉にも報告しておこう。

それまでに、この泣き虫が治まりますように。

今日も助けてくれた全ての人に感謝します。ありがとうございました。明日も頑張ります。