親切
バイトを早退けした。人手が足りたようだし、邪魔もしたくないので、体力温存のため、帰って来た。もちろん許可は得ている。
帰り道、知人の店に寄り、土産物を渡し、お返しをもらう。そのあとコンビニに寄り、買い物。
持ち物をひとつにまとめたくて、いつもデパートの総菜売り場でするように、
「これ、一緒にいれてもらえませんか」
と、レジの担当者に頼む。
小さな袋に入れてきた土産物を、買い物したものにそのまま一緒に入れてくれると思っていたら、レジ係の人は、はいと返事をし、私の持ち込んだものの中味を確かめ、
「順番を変えますね」と言って、一つ一つ取り出し、買い物した商品と、組み合わせ、きれいにひとつにまとめてくれた。
新鮮な驚きだった。他人が買ったもの、持ってきたものを、その人は躊躇せず、とりだし、入れなおした。今日、私は平気だけれど、そこでひとつずつ確かめられるような作業を嫌だと感じる日があるかもしれない。そういう人が他にいるかもしれない、と、ちょっとどきどきした。
でも、それが他意のない親切だと感じたので、ありがたく作業の終わるのを待った。
不要になった元の小袋は、どうしますかと尋ねられ、捨ててくれというのもはばかられ、また、ゴミ袋に家で使おうとも思ったため、持って帰りますと言って買い物と一緒に、くしゃくしゃに突っ込んで持って帰って来た。
いつかその人の親切心が傷ついたりする偶然がありませんようにと祈ります。いつかその人の親切心を傷つけたりしないように、気を付けようと思う。
今日も、一緒に過ごした人たちの親切な心にありがとう。
おかげで明日も、仕事とバイトと、頑張るからね!