東 京 往 来

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助六

助六弁当は、海苔巻きと、お稲荷さん。

揚げと巻。助六の彼女の揚巻さんだ。

 

ライターを探していて、正月飾りの羽子板を見つけた。

会社の社長が、文楽や歌舞伎が好きな私へと、あるとき贈ってくれたもの。自分用には確か汐汲を飾っていたと思う。

たくさん優しくしてくれたと思う。色々我慢してくれたと思う。それを気に入らないと、ずっと文句や不平ばかり言ってきて、そういう関係にしてしまったのは、私なんだと思い出し、申し訳ない気持ちで、涙が出そうになり、急いで、棚の戸を閉めた。

今泣いたら、気持ちを立て直すのが困難だから。

いつも怒ってばかりいるのは、泣いてしまうのが嫌だから、泣かずに済むように、怒っている。そんな私をいつもやり過ごしてきてくれた。言いたいことを言って、口喧嘩になったことも何度もあった。でも、喧嘩できる相手がいる幸せもある。

親きょうだいを除けば、人生で最も長く一緒に時間を過ごしている人だ。本当のことは話せない。その人のやさしさに、傷をつけてしまうような気がするから。

本当はそれほど大変なことでもないとわかっているけれど、知らずに済むことは、知らせなくともよいと思っているから。

いけない、いけない。迷ったり、止まったりしている時間はないんだ。日々すべきことに忙しく追われるとしても、このまま進むんだ。

年が明けたら、助六羽子板、飾れるかな。そんな気持ちになれるといいな。