別れは再会の約束

会うは別れの始め。

去年出会って、バイトの悩みやつらさを分かち合ってきた人と、今日、最後の（一応）会食（正しくは飲み会）をした。

待ち遠しくて、昨日あたり、一日間違えていたくらい。

もう会えなくなる。その人は故郷へ帰るから。私は旅行をしないから。でも、昨日も会っていたように、待ち合わせの場所で合流し、店を探し、乾杯をし、色々な話をした。誰にでも話せることではないような話もした。

あの頃、わからないことや、困ったことや、よかったことや、いろんな話を毎日電話したりメールしたりして、そのバイトをこなしていた。私が先に根をあげて逃げ出してしまったけれど。

来週には東京を引き上げるという。もう会えないかもしれない。でも生きてさえいれば、また会えるかもしれない。

いつも優しい、鈴を転がすようなその人の声が、優しくてありがたかった。離れても、どうか健やかであってほしい。

会うは別れの始め。だから、別れは再会の約束だと思うことにした。

住まいが近いっていいね。四ツ谷駅から歩く帰り路、一緒に過ごした時間を思い出して目頭が熱くなった。

また会えますように。もうしばらく、一緒に年を重ねていかれますように。その人のこれからの人生が、私が関われなくても、どうしても、幸せであってくれますように。

いや、むしろ、私が関わらぬ方がよいだろうけれど。