東 京 往 来

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値しない

昨日、「明日は補聴器店へ行くので、出かけず待っていてくださいね」と頼み、了承を得た。つまり約束した。

けれど今朝、出社してみると、その人の姿はすでになく、補聴器セットも消えていた。

「ああ、ひとりで返却に行くつもりなんだな」と直感する。

今日はいわゆる仕事納めで、支払い等の業務があるけれど、それをまず済ませ、あきらめの悪い、おせっかいの虫が騒ぐ私は、予約の時刻に間に合うよう、急いで店に向かう。

果たしてその人は来ていなかった。昨今、遅刻がちなので、30分ほど待ってみることにして、店の人に詫びる。

20分ほど経ったところでその人はやってきた。

一緒に小部屋に入り、店員と話を始めるが、予測どおり「私には必要がないので、お返しします」と断言し、補聴器大作戦は終わった。抵抗してみたけれど、途中で無駄だと観念し、あきらめた。

そのあと、まだ済んでいない税金を納付し、早めの昼食のため蕎麦屋へ行く。

会話も少なく、ただ蕎麦を食した。後ろの席のゲイらしきカップルが、「今年中にもう一度イタリアへ行きたいね」と楽しそうに話していた。今年中って、今日何日だ?と、ぼんやり思う。

昼食を終え、その人はまた出かけて行った。私は会社へ戻り、明日と年明けの準備をし、それから、憑かれたように、私物の整理を始めた。数週間前に用意していた段ボールふた箱にできるだけ詰め込み、追加の袋を購入し、都合ふた箱半、自宅宛て発送した。袋に入れられない大事なものは、紙袋へ入れ、捨てるものも、持って帰るべく、別の紙袋に詰めた。大した量ではなく、20年の間に少しずつ増えた私物は、思ったより少なく感じた。

思い付きで提案したわけではない。色々考えて、決行したのだけれど、上手くいかなかった。うまくいかなかったのは仕方がないとしても、今日一緒に行こうという約束が実行されなかったことが、腹立たしく、悔しく、悲しく、寂しく、みじめに感じた。

私との約束など、守るに値しないのだと、またぞろ痛感した。

不愉快な気持ちを抑えようと努力したけれど、そのせいかまた頭が痛みだした。

 

今年もご迷惑しかかけることができず申し訳けなく存じます。

どうぞよいお年をお迎えください。

あと1時間が、耐えられず、16時、早退した。

来年、行かずに済めばどんなに気が楽だろう。

けれど、来年が来れば、また、会社へ行くんだな。

それまで、さようなら、ありがとう。